応募してみたい求人が見つかった。
求人票を確認して、応募するかどうかも考えた。
それでも、履歴書や職務経歴書を作ろうとすると、手が止まってしまうことがあります。
「何から書けばよいのか分からない」
「自分には書けるような経験がない」
「応募理由を立派にまとめられない」
「今の仕事について、どこまで書いてよいのだろうか」
「応募書類が上手く書けなければ、応募しても意味がないかもしれない」
応募書類という言葉を聞くと、最初から提出できる完成形を作らなければならないように感じるかもしれません。
でも、白紙の状態から整った文章を作る必要はありません。
最初に作るのは、提出する書類ではなく、応募書類を作成するために使う材料のメモで大丈夫です。
担当していた仕事。
日々続けていたこと。
困ったときに工夫したこと。
周囲と協力したこと。
次の仕事で生かしたいこと。
一つずつ切り出して書き出すと、自分がしてきたことを少し見つめ直しやすくなります。
応募書類は、自分を実際より大きく見せるためのものではありません。
これまでの経験や応募した理由を、事実の範囲で相手に分かりやすく伝えるためのものです。
この記事では、応募書類を作る前に整理しておきたいことを、無理のない順番でまとめます。
必要な書類、項目、形式、提出方法は、企業や応募方法によって異なります。
この記事だけで正しい書き方や提出方法を判断せず、求人票、企業の正式な応募案内、応募フォーム、利用する転職サービスの案内なども確認してください。
この記事でわかること
- 応募書類を作る前に確認したいこと
- これまでの経験や担当業務の整理方法
- 応募先に合わせて伝える内容を選ぶ考え方
- 誇張せず、無理なく書類作成を進める方法
応募書類は、最初から完璧に作らなくてよい
応募書類を作ろうとすると、最初の一文から正確に書かなければならない気がすることがあります。
何度も書き直しているうちに、自分が何を伝えたかったのか分からなくなることもあります。
そのようなときは、提出用の文章を作る前に、自分だけがわかる内容で作成用のメモを作ってみてください。
文章にしなくても構いません。
「電話対応」
「毎月の集計作業」
「新人へのレクチャー」
「納期の確認作業」
「繁忙期の担当調整」
このくらい短い言葉から始められます。
最初からきれいな文章にしようとすると、言葉の選び方に気を取られ、自分が実際にしてきたことを思い出しにくくなります。
まず材料を出し、あとから必要なものを選ぶ方が進めやすい場合があります。
応募書類を作り始めたからといって、必ずその求人へ提出する必要もありません。
書きながら求人を見直し、「もう少し確認してから考えたい」と感じることもあります。
反対に、経験を書き出したことで、「この仕事なら近い経験がある」と気づくこともあります。
作り始めることと、提出することは別です。
一度で完成させることより、今の自分が思い出せることを一つ残すことから始めましょう。
先に応募先と必要書類を確認する
経験を整理する前に、応募先が何を求めているかを確認しておきます。
企業や応募方法によって、必要なものは同じではありません。
履歴書と職務経歴書の両方が必要な場合もあれば、求人サイトの応募フォームへ入力する場合もあります。
企業独自の質問や指定された形式があることもあります。
まずは、次のような項目を確認します。
- 必要な書類や入力項目
- 提出方法やファイル形式
- 応募期限
- 募集している仕事内容
- 必須条件と歓迎条件
- 応募前に確認したい不明点
求人サイトに掲載された情報と、企業の採用ページに書かれている情報を見比べる場合もあります。
内容が異なるように見えるときは、自分に都合のよい方を正しいと決めず、企業の正式な応募案内や問い合わせ方法を確認してください。
また、応募期限があるからといって、不安や体調を押し切って急ぐ必要はありません。
期限は予定を考えるための情報の一つです。
今の自分に準備できる余裕があるかも、同じように大切な判断材料です。
求人票を読み直すときは、応募条件だけでなく、実際に担当する仕事にも目を向けます。
書類へ使う経験を選ぶためには、応募先がどのような仕事を募集しているのかを把握しておく必要があるからです。
ただし、求人票だけで職場の実態や選考基準をすべて理解できるとは限りません。
分からないことは、無理に自分の想像で補おうとせず、確認したいこととして残しておきましょう。
これまでの仕事を、職種名ではなく担当したことに分ける
経験を整理するとき、「事務をしていた」「営業をしていた」「接客をしていた」だけで終わることがあります。
職種名は仕事を短く伝えるために役立ちます。
ただ、同じ職種名でも、実際に担当する内容は会社や職場によって異なります。
自分がしてきたことを見つけるために、仕事を小さな行動へ分けてみましょう。
たとえば、事務の仕事であれば、次のような内容があるかもしれません。
- 書類を作成した
- 売上データや数値の入力・確認をした
- 電話対応やメール返信をした
- 社内の担当者と連携をして確認した
- スケジュールを調整した
- 資料の保管や更新を行った
- 新しく入った人員に対して手順などをレクチャーした
営業であれば、顧客への案内だけではなく、予定の調整、資料の準備、社内との連携、問い合わせ対応、記録の更新なども考えられます。
接客であれば、商品の案内、会計、在庫の確認、売り場の整理、問い合わせ対応、ほかの担当者への引き継ぎなどがあります。
目立つ仕事だけを選ぶ必要はありません。
毎日続けていたことや、問題なく仕事を回すために行っていたことも経験です。
次の項目で分けると、思い出しやすくなる場合があります。
- 何を担当していたか
- 誰と関わっていたか
- どのくらいの頻度で行っていたか
- どのような道具や仕組みを使っていたか
- どこまで任されていたか
- 困ったときに何をしていたか
雇用形態や役職だけを見て、「自分には書ける経験がない」と決めつけなくて大丈夫です。
担当した期間や正式な名称が曖昧な場合は、記憶だけで断定せず、自分が適切に確認できる正式な情報と照らし合わせてください。
工夫したこと・続けたこと・周囲と協力したことを探す
応募書類のために実績を考えようとすると、売上や表彰など、大きな成果が必要なように感じることがあります。
数字で示せる成果がある場合は、事実を確認したうえで整理できます。
ただし、数字がない経験に価値がないわけではありません。
仕事を続けるために工夫したことも、経験を伝える材料になります。
たとえば、次のようなことです。
- 確認する順番を決めて、見落としを減らした
- よくある問い合わせをメモし、回答しやすくした
- 繁忙する時間帯や時期に、周囲のメンバーや担当者と相談した
- 手順が分かりにくい部分を整理してマニュアル化した
- 相手の理解度に合わせて説明の仕方を変えた
- 締切から逆算して準備を進めたり、スケジュール調整をした
- 懸念点や不明点が発生して困ったときに早めに相談した
どれも、特別な出来事には見えないかもしれません。
でも、その仕事を続けるうえで、自分が考えて行ったことです。
次の順番で思い出してみてください。
- どのような状況だったか
- 自分は何をしたか
- 周囲とどのように相談・協力したか
- その後、何が変わったか
結果を自分一人の成果に見せる必要はありません。
周囲が決めたこと、自分が担当したこと、協力して進めたことを分けて書く方が、実際の経験を伝えやすくなります。
数字を使う場合も、外部へ出してよい情報か、正確に確認できる数字かを慎重に考えてください。
確認できない数字を作ったり、会社の非公開情報を使ったりしないようにします。
判断のヒント
大きな成果が思い浮かばないときは、「何を任されていたか」「困ったときにどう動いたか」「続けるために何を工夫したか」の3つに分けてみます。日常的に行っていたことも、経験を伝える材料になります。
応募先の業務内容に関連がある経験を洗い出す
経験を書き出したら、そのすべてを同じ詳しさで応募書類に記載したり、入力したりする必要はありません。
応募先の仕事内容や応募条件を見ながら、関連しそうな経験を洗い出して選びます。
たとえば、応募先で社内調整が必要な場合、同じ職種の経験がなくても、複数の担当者へ確認や連携をしながら仕事を進めた経験が近い場合があります。
顧客対応が必要な仕事であれば、相手が問い合わせてきた内容を聞き取り、必要な担当者へ取り次いだ経験が応募条件に結びつくかもしれません。
業務の改善が求められている場合は、手順を整理したことや、見落としを減らすために工夫したことが応募書類に使う材料になることもあります。
大切なのは、違う経験を同じものだと言い切ることではありません。
自分が実際に行ったことと、応募先で求められていることの共通点を探すことです。
近い経験があっても、それが選考で評価されるとは限りません。
また、応募条件を満たしているかどうかを、この記事だけで判断することもできません。
関係が薄い経験を無理につなげたり、経験していない仕事を経験したように書いたりしないようにします。
「まったく同じ経験はないが、この部分は近い」
「直接担当していないが、補助として関わった」
「短い期間だが、実際に行ったことがある」
このように、自分が関わった範囲を分けて整理すると、事実を保ったまま伝えやすくなります。
補足
応募条件の解釈や、どの経験が選考で評価されるかは、求人や企業によって異なります。記事だけで応募資格や選考結果を判断せず、求人票、企業の正式な案内、応募フォームなどを確認してください。
応募理由は「なぜ気になったか」から整理する
応募理由や志望動機を書こうとすると、立派な文章を作らなければならない気がすることがあります。
応募する企業が優れている点を理解して説明しなければならない。
強い熱意を示さなければならない。
将来の目標を明確に言い切らなければならない。
そのように考えると、自分が本当に感じていることからかけ離れた文章になりやすくなります。
まずは、なぜその求人が気になったのかを短く書き出してみてください。
- やってみたい仕事内容がある
- これまでの経験を生かせそうな部分がある
- 今後身につけたいこととつながっている
- 希望する働き方に近い
- もう少し詳しく知りたい仕事である
理由は一つでも複数あっても構いません。
今の職場への不満が転職活動のきっかけになっている場合もあります。
その不満をすべて応募書類へ書くのではなく、次の仕事で何を変えたいのかへ置き換えて考えます。
たとえば、「業務量が多くてつらい」という気持ちがあるなら、次の仕事では役割や業務範囲を確認したいのかもしれません。
「仕事の進め方が合わない」と感じているなら、周囲のメンバーと相談や調整をしながら進める仕事を希望していることもあります。
ただし、求人票だけで希望が実現すると決めつけないようにします。
企業について分からないことを、知っているように書く必要もありません。
自分が確認できた情報と、自分の経験や希望がつながる部分から整理していきましょう。
履歴書・職務経歴書・応募フォームの役割を混ぜない
応募するときに、複数の書類や入力項目を求められることがあります。
どこに何を書けばよいのか分からず、同じ内容を何度も書いて疲れることもあります。
履歴書、職務経歴書、応募フォームなどは、それぞれ確認される内容や形式が異なる場合があります。
一般的には、履歴書で経歴や基本情報を伝え、職務経歴書で担当した仕事や経験を詳しく伝える場面があります。
ただし、すべての企業や応募方法で同じとは限りません。
応募フォームに職歴や応募理由を直接入力する場合もあります。
企業独自の質問へ回答する場合もあります。
まず、応募先から求められているものを一つずつ確認します。
同じ経験を複数の場所へ書く必要がある場合も、記載欄や入力欄の目的や文字数に合わせて内容を調整します。
自分の判断だけで項目を省いたり、別の書類で代用できると決めたりしないようにしてください。
正式な記入方法、必要項目、提出形式は、企業の案内や応募フォーム、利用している転職サービスの案内を確認します。
注意
応募書類の種類、必要項目、提出方法、記入ルールは、企業や応募方法によって異なります。この記事だけで判断せず、求人票、企業の正式な応募案内、応募フォーム、利用する転職サービスの案内などを確認してください。
一つの材料メモから、応募先ごとに伝える内容を選ぶ
応募先が増えるたびに、すべてを白紙から考えると負担が大きくなります。
そこで、まず自分用の材料メモを一つ作ります。
- 経歴の基本情報
- 担当業務の一覧
- 工夫したこと
- 周囲と協力したこと
- 生かしたい経験
- 希望する仕事や働き方
- 応募先へ確認したいこと
この材料メモから、応募先に関係するものを選びます。
経験そのものは同じでも、どの部分を詳しく伝えるかは、応募する仕事によって変わる場合があります。
事務職へ応募するなら、提出された書類の確認や調整、書類作成の経験が該当します。
接客に関わる仕事なら、相手の要望を聞き取り、問い合わせに対応した経験が伝える材料になる場合があります。
チームで作業を進める仕事なら、周囲のメンバーと連携・協力した経験が伝える材料になる場合があります。
このように、応募先と関係する自分の経験を選んでいきます。
ただし、応募先の条件に合わせるために、事実を変えてはいけません。
担当していない仕事を加えたり、短い経験を長期間続けたように書いたりしないようにします。
以前作った書類を使う場合は、別の企業名、職種名、応募理由が残っていないかも確認してください。
使い回すこと自体を悪いと考える必要はありません。
基本情報や経験の材料を再利用しながら、応募先と関係する内容になっているかを見直すことが大切です。
一人で行き詰まったら、伝わり方だけを見てもらう
自分が日常的に行ってきた仕事は、自分にとって当たり前になっています。
そのため、何を説明すれば相手に伝わるのか分からなくなることがあります。
一人で整理しにくい場合は、信頼できる人や転職サービスなどへ相談する方法もあります。
相談するときは、「よい文章を作ってほしい」とすべてを任せるのではなく、何を見てほしいかを決めると相談しやすくなります。
- 担当した仕事が伝わるか
- 自分が行ったことと周囲が行ったことを区別できているか
- 応募先とのつながりが分かるか
- 読んで意味が分かりにくい部分はないか
- 誤字や入力間違いがないか
助言を受けても、自分が経験していないことへ書き換える必要はありません。
自分の事実と異なる表現や、面接で説明できない表現が加わっていないかを最後に確認します。
書類を見せる相手や共有方法にも注意してください。
住所、電話番号、メールアドレス、生年月日などの個人情報が含まれる場合があります。
必要以上の情報を共有せず、信頼できる相手やサービスかを確認します。
勤務先の固有情報や顧客情報が含まれていないことも見直してください。
応募書類を作るときにやらない方がいいこと
選考への不安が強いと、少しでも自分をよく見せたいと感じることがあります。
反対に、間違いを恐れて、いつまでも完成させられないこともあります。
あとから自分が説明しにくくなったり、心身の負担が大きくなったりする進め方は、できる範囲で避けましょう。
経験や実績、成果を実際よりも大きく見せる
応募先に関係する経験が少ないと、実際より大きく見せて書きたくなることがあります。
しかし、できないことをできると書いたり、担当していないことを担当したと書いたりすると、その後の説明が難しくなります。
周囲と協力して達成したことを、自分一人の成果にする必要もありません。
「担当者と相談しながら進めた」
「自分はこの部分を担当した」
このように、自分が関わった範囲を分けて書くことができます。
数字を使う場合は、正確に確認できるか、外部へ出してよい情報かを確認してください。
今の会社の情報をそのまま持ち出す
経験を具体的に伝えようとして、会社の資料や画面、顧客情報などを使いたくなることがあります。
自分の経験を説明することと、会社の情報を外へ出すことは別です。
会社の資料や画面を無断で複製しないようにします。
顧客名、取引先名、個人名、未公開の数字や計画なども応募書類へ書かないようにしてください。
固有名詞や非公開情報を使わなくても、「法人顧客からの問い合わせに対応した」「複数の担当部署と調整した」のように、自分の行動を一般的な言葉で整理できます。
会社の端末、メール、アカウント、資料を使う場合は、勤務先のルールを確認してください。
応募先を確認せず同じ書類を送る
複数の求人へ応募していると、別の企業名や職種名が残ることがあります。
応募理由が、今回の求人と合っていない場合もあります。
提出前に、次の点を確認します。
- 企業名や職種名
- 応募先から指定された項目
- 応募理由と求人内容のつながり
- ファイル名や提出形式
- 古い情報や別の応募先の文章が残っていないか
同じ材料を使う場合も、今回の応募先へ提出する内容になっているかを見直しましょう。
完璧な文章になるまで提出できないと考える
誤字や事実関係を確認することは大切です。
ただし、誰が読んでも完璧だと思う文章を作ることは簡単ではありません。
言葉を直し続けて、応募期限や体調への負担が大きくなることもあります。
まずは、事実と異なる部分がないか、相手が意味を理解できるか、必要な項目がそろっているかを確認します。
それでも不安が残る場合は、一度時間を置いて読み直す方法もあります。
体調がつらいときは、応募書類を作ること自体を休んでも大丈夫です。
求人への応募より、今日の自分を守ることを優先しても構いません。
つらさが続いている場合は、信頼できる人、医療機関、社内外の相談窓口、公的な相談先などへ相談することも考えてください。
まとめ:まず、自分が経験してきたことを短い箇条書きにする
応募書類を作ろうとして手が止まるのは、珍しいことではありません。
自分の経験を言葉にすること。
応募先に関係する内容を選ぶこと。
決められた形式へ整えること。
間違いがないか確認すること。
いくつもの作業を一度に進めようとすると、負担が大きくなります。
最初から提出できる書類を作る必要はありません。
まずは、次の3つを一つずつ書き出してみてください。
- 担当していたこと
- 工夫したこと
- 次の仕事で生かしたいこと
そのあとで、応募先の仕事内容や応募条件と、自分が経験したこととのつながりを整理して選びます。
応募理由は、求人のどこが気になったという部分から洗い出していきます。
履歴書、職務経歴書、応募フォームなどの必要項目や形式は、企業の正式な案内を確認しましょう。
経験や成果を大きく見せる必要はありません。
自分が実際に担当したことや工夫したことを、事実の範囲で分かりやすく伝えることが大切です。
現職・過去の勤務先の機密情報、顧客情報、個人情報、未公開情報を応募書類へ含めないようにします。
提出前には、企業名、職種名、必要項目、事実関係を確認しましょう。
今日すべてを完成させなくても大丈夫です。
材料を一つ書き出す。
求人票を一件確認する。
明日、続きを考える。
そのくらいに分けて進めても、応募書類の準備は進んでいきます。
現在の体調への負担が大きい場合は、書類作成をいったん休み、相談先に連絡することを優先してください。
応募を急ぐことより、今の自分を守りながら、説明できる事実を少しずつ整理することが大切です。
次の一歩
応募書類を作ろうとして手が止まったら、まず「担当していたこと」「工夫したこと」「次の仕事で生かしたいこと」を一つずつ箇条書きにしてみてください。最初から提出できる文章に整えなくても大丈夫です。
