「また不採用の連絡が来た」
転職活動でそのようなことが続くと、書類を直すべきか、面接での話し方を変えるべきか、何から手をつければよいか分からなくなることがあります。準備してきたことを、すべてやり直したくなるかもしれません。
まずは、結果が出た応募を一件選び、書類選考と面接のどの段階だったかを確認してみましょう。実際に伝えられたことと、自分が気になっていることを分けると、次に確認する箇所を選びやすくなります。
この記事では、不採用の通知を受け取った後に、手元の書類や面接の記録を使って、次に取り組む準備を整理する方法を紹介します。一度にすべてを振り返らず、できるところから始めても構いません。
この記事でわかること
- 書類選考と面接の結果を分けて整理する方法
- 伝えられたことと、自分の推測を区別する考え方
- 書類・面接の準備で確認できる箇所の選び方
- 助言を求める方法と、次の一項目を無理なく残す方法
不採用が続いても、結果だけで理由は決めつけない
不採用の通知には、結果だけが書かれ、詳しい理由が分からないこともあります。
その空白を埋めようとして、「書類の内容が足りなかった」「面接官に嫌われたのでは」と考え始めると、確かめられない理由をいくつも探してしまいます。
ただ、不採用になったという結果と、なぜその結果になったかは別の情報です。応募先の募集内容や伝えられた説明を見ずに、すべて同じ理由だったと考えることはできません。
何社不採用になったかという数だけで、自分の能力や人柄を評価する必要もありません。「この件数ならやり方が間違っている」と、一律の線を引かずに考えてみましょう。
振り返るときは、手元の情報から確認できることに目を向けます。提出した書類に何を書いたか、面接でどのような説明をしたか。その中から、次の準備で確かめたい箇所を探していきます。
応募ごとに、書類選考と面接の結果を分ける
最初から、これまでの応募をすべて一覧にする必要はありません。まずは、結果を確認できている直近の一件を選びます。
どの職種に応募し、どの段階の結果を受け取ったのかを、通知や自分の記録で確認しましょう。同じ企業で複数の求人を見ていた場合は、応募した募集と取り違えていないかも見ておきます。
書類選考の結果であれば、募集内容と提出した書類が見直しの材料になります。面接後の結果であれば、それらに加えて、実際に尋ねられたことや説明した内容も振り返れます。
段階を分けるのは、確認する材料を選ぶためです。書類選考なら必ず書き方が原因、面接なら必ず話し方が原因、と判断するためではありません。
補足
応募一件分の整理メモ
- 応募の目印: 自分が区別できる企業・職種・応募時期
- 結果が出た段階: 書類選考、一次面接など、確認できている内容
- 実際に伝えられたこと: 通知の内容や、受け取った説明・助言
- 見直せる箇所: 書類の一部分や、説明しづらかった場面
- まだ分からない点: 理由など、確認できていないこと
- 次に確認する項目: このあと取り組めそうなこと
最初から全部を埋めなくても大丈夫です。メモは自分で管理できる場所に残して、分からない内容は想像で補わずにおきましょう。
結果の通知がまだ届いていない応募は、別にしておきます。企業との面接後に連絡を待っている場合は、通知予定や受信状況の確認方法を次の記事で整理できます。
伝えられたことと、自分の推測を分ける
通知に書かれていたことや、担当窓口から説明されたことを見直します。評価や助言を受け取っている場合は、誰から、どの応募について伝えられた内容かも残しておきましょう。
企業からの説明と、転職支援担当者が準備について提案したことは、分けて記録します。担当者の「ここを詳しく書いてみましょう」という助言が、そのまま企業の不採用理由を示しているとは限らないためです。
自分の振り返りでも、同じように区別できます。「具体例をうまく説明できなかった」と感じたことは、次の準備の手がかりになります。一方、「その説明が原因で落ちた」とまでは、分かっていないかもしれません。
補足
振り返りと、理由の決めつけを分ける例(架空の事例)
面接で担当業務を尋ねられたとき、作業の順番を説明しづらかった場面を考えてみます。
- 確認できること: 担当業務について質問され、作業の順番を説明するところで言葉に詰まったと覚えている。
- 分からないこと: その場面が不採用に影響したか、ほかにどのような判断があったか。
- 次に見直せること: 自分の担当範囲と、実際に行っていた作業を短く整理する。
準備で見直せる点があることと、それが不採用の理由だったことは、分けて考えます。
面接官の表情、面接の長さ、返答の速さも、それだけで理由を確定できる材料ではありません。繰り返し思い返しても分からない点は、いったん残しておきましょう。
実際に理由の説明を受けた場合も、その応募についての情報として扱います。他の応募先にも同じ理由が当てはまると広げず、次の準備に使える内容があるかを見ていきます。
書類は、募集内容と提出した情報を照らし合わせる
書類を見直すときは、今回の募集内容と、実際に提出した書類や応募フォームの控えを並べます。別の応募用に書き直した最新版ではなく、そのとき何を伝えたかを確認します。
募集内容に必須の条件と歓迎する条件が書かれている場合は、それぞれを分けて読みます。そのうえで、自分の経験が書類のどこに、どのように記載されているかを見てみましょう。
確認する箇所は、次のようなものから選べます。
- 企業名・職種名や、求められた項目に取り違え・記入漏れがないか
- 担当した業務や、自分が担った範囲が読み取れるか
- 在籍期間、経験、資格などの事実に誤りがないか
- 指定された形式や提出方法に沿っていたか
たとえば、書類に「事務業務全般」と書いていた場合、実際に担当した作業が読み手に伝わるかは見直せます。受注内容の確認、書類の作成、問い合わせへの対応など、自分が行っていたことを確かめるところから始められます。
これは、書き方を詳しくすれば必ず通過するという意味ではありません。条件に当てはまっていることや、形式に誤りがないことだけで、選考結果が決まるとも言い切れません。
気づいた箇所は、次の応募に向けた確認事項として残します。経験や実績を作り足したり、担当していない仕事を自分の成果として書いたりせず、事実の範囲で伝わり方を整えましょう。
書類に使う経験や応募理由を整理し直したい場合は、次の記事で準備の進め方を確認できます。
面接は、答えづらかった一場面を振り返る
面接後の振り返りでは、全体の出来を採点するより、覚えている一場面を選んでみましょう。
何を尋ねられたか。自分は何を伝えたか。どの部分が説明しづらかったか。この順番で短く残すと、次に準備する内容を考えやすくなります。
たとえば、チームで取り組んだ仕事について話したものの、自分が担当した範囲を十分に説明できなかったと感じた場合です。提出した書類も見ながら、チーム全体の仕事と自分の役割を分けて確認できます。
記憶が曖昧なところは、正確な発言のように書き起こさなくても構いません。「担当範囲を尋ねられたと思う」「順番を説明するところが難しかった」のように、覚えている範囲で残します。
話せなかったことが見つかっても、それを不採用の理由と決める必要はありません。次に同じ経験を説明する機会があれば、どこを準備しておきたいかを考えます。
相手の反応に合わせて事実を変えるのではなく、実際の経験を自分の言葉で説明できる形に整えていきましょう。話す要点のまとめ方や練習の進め方は、次の記事で紹介しています。
助言を求めるときは、確認したい箇所を絞る
自分だけでは整理しにくい場合は、すでに利用している相談・支援の窓口に、書類の確認や面接の振り返りについて相談できるか確かめる方法もあります。
対応する内容は、転職サービスや担当者の役割によって異なります。利用中の案内を確認し、相談できる範囲と、必要な資料を聞いておきましょう。
その際は、今回どの段階の結果を受け取り、どの箇所を見てもらいたいかを短く伝えます。
たとえば、書類についてなら「担当業務は書きましたが、自分の担当範囲が読み手に伝わる内容になっているか、見ていただくことはできますか」と尋ねられます。面接であれば、答えづらかった質問と、実際に話した内容を覚えている範囲で添えます。
企業から共有された説明があるのか、準備についての助言を受けられるのかは、別々に確認できます。不採用理由の開示や、添削・面接練習などを必ず受けられるものとして考えず、得られた情報を使って次の確認につなげましょう。
資料を共有するときは、相談相手と目的に必要な範囲を確かめます。勤務先の機密、顧客情報、担当者の私的な連絡先、ログイン情報などは含めないように注意してください。応募資料や面接の記録を、公開SNSにそのまま載せて意見を募ることも避けましょう。
助言を受けたら、すべてを一度に取り入れようとせず、実際の経験や希望と照らし合わせて、次に見直す箇所を選びます。
次の準備で見直す部分を一つ選択する
ここまでに気づいたことから、次に確認できる項目を一つ選びます。作業を終えたかどうかが自分で分かるように、取り組む内容を具体的に決めてみましょう。
「書類を全部直す」と考えると、どこから取り組むか迷うかもしれません。「応募する職種に関係する担当業務が、書類に書かれているか確認する」まで絞れば、見る場所が決まります。
面接についても、「話し方を上達させる」だけでは作業が広がります。「答えづらかった質問への説明を、実際の経験に沿って短くメモする」とすると、次の準備につなげられます。
複数の面接で同じ箇所を説明しづらかったなら、その部分を見直す候補にできます。ただし、それで複数の不採用理由が分かったことにはなりません。繰り返し困った場面を、準備の優先順位を考える材料として使います。
説明を見直すときも、経験や資格などの事実は変えずに扱います。大切にしたい働き方についても、選考結果だけを理由に急いで変更する必要はありません。説明を整えることと、希望する条件を見直すことは分けて考えられます。
今回選択した項目の確認を終えたら、「見直した箇所」と「まだ分からない点」を残して区切りにしましょう。書き直しや練習を続けるほど必ず採用に近づく、と考えず、次の予定や自分の負担も見ながら進めます。
負担が大きいときは、振り返りをいったん止める
通知を開くことや、面接を思い返すこと自体が負担になる日もあるかもしれません。そのときは、少し時間を置いてから振り返る選択もできます。
過去の応募を一度に整理しようとしたり、夜まで同じ場面を考え続けたりしなくても構いません。今は向き合いにくいと感じるなら、資料を閉じ、あとで確認したい箇所だけ残しておきましょう。
書く余裕がある場合も、「次は職務経歴書の担当業務を見る」程度の短いメモで十分です。それも難しければ、メモを完成させることを休息の条件にしなくて大丈夫です。
他の応募が進んでいる場合は、返答や提出の期限がある連絡と、今回の振り返りを分けて確認します。必要な連絡を済ませたあと、振り返りは別の時間に回すこともできます。
次の応募を増やすかどうかまで、同じ日に決める必要はありません。今取り組むことを減らし、普段の生活や休息に戻る時間も残しておきましょう。
まとめ:理由を決めつけず、次に確認することを一つ残す
不採用が続いたときは、結果が分かっている一件を選び、書類選考や面接など、どの段階で不採用になったのかを確認するところから始めてみてください。
実際に伝えられたこと、自分が気づいたこと、まだ分からないことを整理します。理由を確定できなくても、募集内容と書類を照らし合わせたり、説明しづらかった質問の回答を見直したりすることはできます。
必要なら、対応範囲を確認したうえで助言を求め、次の準備で確認することを一つ選びましょう。負担が大きいときは、すぐに振り返らず、休む時間を取ることも選べます。
一度にすべてを変えようとせず、今の自分が確認できるところから進めていきましょう。
次の一歩
直近の一件について、結果が出た段階と、次に確認したいことを一つだけメモしてみましょう。理由が分からない点は、分からないまま残して構いません。今は負担に感じる場合、時間を置いてからでも大丈夫です。